手わざ~琉球王国の文化~展
沖縄県立博物館にて、
『手わざ 琉球王国の文化』博物館特別展が開催されています。
近代化や戦争で失った美術工芸品を製作する手わざ(技術等)を、
化学分析等の最新研究による情報をもとに模造復元し、
さらには王国文化として発信する事業です。
平成27年度より実地設計を行い、平成28年度より8分野
(絵画、木彫、石彫、漆芸、染織、陶芸、金工、三線)65件の資料を
模造復元製作しています。
昨年度までに36件が完成しました。
この度、完成した作品を中心に特別展を開催します。
(手わざ展・パンフレットより)
私たちは漆芸の木地製作、冠(ハチマチ)の木地製作に携わらせていただきました。
撮影:クーニーさん
今回のパンフレットの表表紙にも掲載されている、
朱漆巴紋沈金御供飯(しゅうるしともえもんちんきんうくふぁん)
現在は消えてしまった「巻胎」技法、
帯状の木をぐるぐるとバームクーヘンのように
巻いて削り出す技法で製作されています。
その時代の素材、技法に忠実に製作するため、
接着剤には楽器制作と同じく、にかわを使います。
木地完成後、漆を塗り、沈金加工を施し、、、と
一つの器物に多くの人の手と時間がかけられています。
各分野の粋を集めた素晴らしい展示で、
多くの方にご紹介したいです。
火災によって首里城は消失してしまいましたが、
多くの人の手わざの中にピースが宿っており、
その一つ一つが集まってきっと復元できる!
そんな元気をもらえた気がしました。
ただ、現在新型肺炎の流行という不測の事態のため、
どうぞ万全の注意の上、足をお運びください。
会期は3月15日(日)まで、間際には混雑も予想されます。
平日はあまり混み合わず、
ゆっくりご覧になれるのでおすすめです。
なお、東京国立博物館、九州国立博物館でも
開催が予定されているようです。
どうぞ『手わざ』展をご覧いただき、
いにしえの琉球王国文化に触れていただけたら嬉しいです。
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