夢織機1号

カテゴリー │てるる詩の木工房楽器制作夢織機1号

夢織機1号

2018年のイースター、私たちはドイツにいました。
奏者を通じて私たちの楽器を見た
ザーレム工房のホルスト・ニーダー氏から
「弦の作り方を教えるのでドイツに来てはどうか」
というお誘いがあったためです。
1週間彼の工房に寝泊まりし、
言葉のわからないまま語り合い、有意義な時間を過ごしました。
彼は「世界に私の知っているだけで12のライアー工房があるが、あなたは13番目の工房だ」と
祝福してくれました。

夢織機1号

それまでは自作の簡易弦巻き機で弦を制作していました。
帰国後、心の熱いうちに何とか完成させたいと思いつつ
去年の10月の末にやっと新しい機械が完成しました!
(その日は夜遅く、首里城が燃えた日でもありました。)
ドイツでは日本に比べて小さな楽器工房や弦工房があるため
材料の入手も容易ですが
日本では手に入らないものも多く、苦労しました。

それでも楽器を作り始めた時からの夢であった
自分の楽器に自分で作った弦を張ることが叶い、
大きな喜びです。
音に対する細やかな対処もできるようになり
皆さんにお披露目できることとなりました。
長らく待っていただいた方々にお礼申し上げます。

夢織機1号
T様

新しい弦巻き機の名前は
『夢織機1号』(ゆめおりきいちごう)といいます。
古くからの友人が名付けてくれました。
随所に工夫を凝らし、日々進化中ですキラキラ 

夢織機1号

芯となるワイヤーを張り、
そこに様々な太さの細いワイヤーを巻き付けていきます。
音によって0.1mmの極細のワイヤー、
異なる太さのワイヤーを3重巻きにしたり、と
楽器それぞれの虹色のレシピを制作してから
実際の弦を作っていきます。

夢織機1号
O様

現在、以前制作した楽器の弦の張替えを承っています。
それぞれの場所で大切に弾かれてきた楽器と再会できるのも
至福の時間。

弦を外し、サドル部分の取り換えを行い、塗装し直します。
その後、新しい弦を制作して張ります。
楽器が新しく生まれ変わる瞬間です。
楽器のクリーニング、メンテナンスも併せて行っています。

夢織機1号
M様

夢織機1号
M様



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