てるる詩の木工房HPリニューアルについて

カテゴリー │てるる詩の木工房お知らせ



お知らせです。
てるる詩の木工房のHPをリニューアル致しました。
これまでご質問の多かった楽器について詳しく説明したり、
オンラインショップからご購入・ご予約ができるようになっています。

それに伴い、これまでこのブログでお知らせしていた内容を
Instagram、Facebook、またHP内のブログにて更新していきます。
これまでこのブログを楽しみに読んでいただいた方々に
深くお礼申し上げますと共に、
引き続き新しいHPを読んでいただければ幸いです。
このブログはしばらくこのままにしたいと思います。

新しいHPを作成するにあたり、
過去の写真をもう一度眺めました。
作り始めた当初の思いや、
一台一台の楽器と弾いていただいている方々を思い出し、
改めて感謝の気持ちがあふれてきました。
多くの方々に支えられえて今日という日があること、
感謝いたします。

コロナウイルスで身動きの取れない時期ですが
自分たちの本当にやりたいことを見直し、
今できることを大切にしていきたいと思いました。
その中の一つがHPの見直しです。
大変な時期ですがその中での気づきや
感謝の気持ちを忘れずに、
より良い楽器ができるようこれからも努力していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

てるる詩の木工房
高良輝幸&のり子








夢織機1号

カテゴリー │楽器制作てるる詩の木工房夢織機1号


2018年のイースター、私たちはドイツにいました。
奏者を通じて私たちの楽器を見た
ザーレム工房のホルスト・ニーダー氏から
「弦の作り方を教えるのでドイツに来てはどうか」
というお誘いがあったためです。
1週間彼の工房に寝泊まりし、
言葉のわからないまま語り合い、有意義な時間を過ごしました。
彼は「世界に私の知っているだけで12のライアー工房があるが、あなたは13番目の工房だ」と
祝福してくれました。


それまでは自作の簡易弦巻き機で弦を制作していました。
帰国後、心の熱いうちに何とか完成させたいと思いつつ
去年の10月の末にやっと新しい機械が完成しました!
(その日は夜遅く、首里城が燃えた日でもありました。)
ドイツでは日本に比べて小さな楽器工房や弦工房があるため
材料の入手も容易ですが
日本では手に入らないものも多く、苦労しました。

それでも楽器を作り始めた時からの夢であった
自分の楽器に自分で作った弦を張ることが叶い、
大きな喜びです。
音に対する細やかな対処もできるようになり
皆さんにお披露目できることとなりました。
長らく待っていただいた方々にお礼申し上げます。

T様

新しい弦巻き機の名前は
『夢織機1号』(ゆめおりきいちごう)といいます。
古くからの友人が名付けてくれました。
随所に工夫を凝らし、日々進化中ですキラキラ 


芯となるワイヤーを張り、
そこに様々な太さの細いワイヤーを巻き付けていきます。
音によって0.1mmの極細のワイヤー、
異なる太さのワイヤーを3重巻きにしたり、と
楽器それぞれの虹色のレシピを制作してから
実際の弦を作っていきます。

O様

現在、以前制作した楽器の弦の張替えを承っています。
それぞれの場所で大切に弾かれてきた楽器と再会できるのも
至福の時間。

弦を外し、サドル部分の取り換えを行い、塗装し直します。
その後、新しい弦を制作して張ります。
楽器が新しく生まれ変わる瞬間です。
楽器のクリーニング、メンテナンスも併せて行っています。

M様

M様




旧2月16日生まれのことのは

カテゴリー │楽器制作ことのはてるる詩の木工房Onlineshop


3月10日は旧暦2月16日、満月でした。
この日、2台の竪琴が生まれました。


ことのは 9弦 ペンタトニック
沖縄県産しいの木製
てるる詩の木工房オリジナルスチール弦





新型肺炎で騒がしいこの頃、
東北の震災から9年。
そして母の命日も震災の前日の今日でした。
心の平穏が訪れるよう祈りを込めて弦を張りました。




作業中、大量のトマトを持ってきてくださったTさん。
土を愛し、うちに遊びにきても片手はもう雑草を抜いている😆
勝手に「土の人」とあだ名をつけていますが、
もともと飛行機の整備技師をされていました。
「ちょっとこの作業が終わるまで待っててくださいね〜」
じーっと待っていた彼は一言
「丸いの作ったり四角いの作ったり大変だね〜自分たちはオートだから」笑
彼曰く、水や肥料を30mも吸い上げて、
朝になったら毎日毎日まあるくて赤いトマトができている、
これは人間ができないこと。
特定の神様を信じている訳ではないけれど、
神様を感じ感謝してるよ、と。

ツヤツヤの甘いトマトを食べると
心の中にも陽光が輝くようです。




2月生まれのあやはべる39弦

カテゴリー │楽器制作あやはべるてるる詩の木工房

あやはべる39弦
2020-2-しいの木-か
てるる詩の木工房オリジナルスチール弦
沖縄県産しいの木製
木製ケース・調弦器付
¥350000(税込)
あやはべる39弦
2020-2-しいの木-あ
てるる詩の木工房オリジナルスチール弦
沖縄県産しいの木製
木製ケース・調弦器付
¥350000(税込)
2台とも、沖縄県産のしいの木製。
キラキラ光る水表のような、柾の通った美しい木です。
ギターのようなフラットトップ、ナチュラル仕上げです。
同じ樹種で作っても、それぞれに違う表情。

夢織機1号で作った、オリジナル弦を張っています。
弦が変わったことで、購入していただいた方からは
『普及版なのに、上製のような音がするハート』と
喜んでいただきました。

てるる詩の木工房オリジナル弦完成記念!で
このあやはべる39弦は特別価格になっている限定品です。
詳しくは・・・
ONLINESHOPをご覧ください。



この楽器を制作中、まだまだ固い新芽だったタラの木。



陽光を浴びて、すっかり立派な葉を茂らせました。
『あやはべる』とは琉球の古い言葉で『美しい蝶』。
名前にふさわしい、春の伸びゆくエネルギーを纏った2台となりました。





タラの芽はてんぷらにしたり、卵焼きに入れたり。
最近はさっとゆでて刻み、ご飯に混ぜて菜飯にしています。
ほろ苦さが冬の間に溜まった毒素を排出するのを助けてくれるそうです。
摘んでも摘んでも、次の日には元気な葉が伸びてきて・・・
自然の恵みに感謝しつついただいています。





手わざ~琉球王国の文化~展

カテゴリー │てるる詩の木工房お知らせ

沖縄県立博物館にて、
『手わざ 琉球王国の文化』博物館特別展が開催されています。

近代化や戦争で失った美術工芸品を製作する手わざ(技術等)を、
化学分析等の最新研究による情報をもとに模造復元し、
さらには王国文化として発信する事業です。
平成27年度より実地設計を行い、平成28年度より8分野
(絵画、木彫、石彫、漆芸、染織、陶芸、金工、三線)65件の資料を
模造復元製作しています。
昨年度までに36件が完成しました。
この度、完成した作品を中心に特別展を開催します。
(手わざ展・パンフレットより)

私たちは漆芸の木地製作、冠(ハチマチ)の木地製作に携わらせていただきました。

  撮影:クーニーさん

今回のパンフレットの表表紙にも掲載されている、
朱漆巴紋沈金御供飯(しゅうるしともえもんちんきんうくふぁん)

現在は消えてしまった「巻胎」技法、
帯状の木をぐるぐるとバームクーヘンのように
巻いて削り出す技法で製作されています。
その時代の素材、技法に忠実に製作するため、
接着剤には楽器制作と同じく、にかわを使います。
木地完成後、漆を塗り、沈金加工を施し、、、と
一つの器物に多くの人の手と時間がかけられています。

各分野の粋を集めた素晴らしい展示で、
多くの方にご紹介したいです。
火災によって首里城は消失してしまいましたが、
多くの人の手わざの中にピースが宿っており、
その一つ一つが集まってきっと復元できる!
そんな元気をもらえた気がしました。

ただ、現在新型肺炎の流行という不測の事態のため、
どうぞ万全の注意の上、足をお運びください。
会期は3月15日(日)まで、間際には混雑も予想されます。
平日はあまり混み合わず、
ゆっくりご覧になれるのでおすすめです。

なお、東京国立博物館、九州国立博物館でも
開催が予定されているようです。
どうぞ『手わざ』展をご覧いただき、
いにしえの琉球王国文化に触れていただけたら嬉しいです。






2月22日生まれのてるる41弦

カテゴリー │楽器制作てるるてるる詩の木工房


2020(R2)年2月22日、と2の続く日に
てるる41弦総桑が完成しました。

長い、長い時間がかかりました。
本体の完成が去年の8月。
弦を巻くための機械の製作をはじめ、
『夢織機1号』(ゆめおりき・いちごう)が完成したのが
首里城火災前日の夜。
弦の材料の調達、弦作りの試行錯誤、機械に改良を繰り返し
ようやくてるる詩の木工房オリジナル弦として
自分で作った楽器に自分で作った弦を張る、
10年来の夢が叶いました。

この楽器はすべて沖縄県産の桑材でできています。
甲に使用した木は、
なんと!若い時に一度切られています。
その傷を包み込んで成長し、
真っすぐで目の詰まった見事な木となりました。
この木の生き様、再生とたくましさにあふれる木です。

丸太から製材し、工房に来てから12年、
あまりに素晴らしすぎてなかなか使うことができなかったのです。


指先位の小さなカンナで甲のふくらみを削り出し、
胴を組み立て接着、
多くの工程を経て形が完成します。




こうして仕上がった木地に漆を塗り重ねて本体の完成。

様々な太さのワイヤーを『夢織機1号』で巻き付けて
弦を一本一本作っていきます。

一台一台、その楽器に合わせた弦を
スケールデザインした虹色のレシピ。




この楽器にはそれぞれ『太陽のしずく』『星月夜』と銘がついています。
やっとご注文いただいた方々にお届けすることができて感無量です。
長い間温かく見守って、完成の喜びを共にしていただき、
本当にありがとうございます。




旧12月17日生まれのあやはべる9弦

カテゴリー │楽器制作あやはべるてるる詩の木工房Onlineshop

1月11日は今年最初の満月でした。
この日、あやはべる9弦に弦を張りました。
弦は『夢織機1号』で製作した、てるる詩の木工房オリジナルの弦です。
楽器に合わせた自分で作る弦で、
音が格段に良くなりました。

今回は「おきなわの木 Ver.1」ということで、
希少な材ばかりで制作しています。

右から・・・
ヤマックワ
和名・ヤエヤマネコノチチ。
実の形が猫のお乳の形に似ているそうです。沖縄固有の植物です。
深い山の中に生えていて、同じく森林に舞うフタオチョウの食草です。
明るい黄色の材で、素朴な木の音がします。
まるで海に照らす月の道のような表情をしています。


*桑 soud out ご購入ありがとうございます

江戸指物にも使われる、丈夫で狂いの少ない木。
古来琴は桑で作られたとされており、
キラキラ輝くような、清らかな音がします。
里の桑は枝分かれして材としては使えませんが、
楽器には山の中で光を求めて上にまっすぐ伸びた木を使用しています。
チューニングの安定性も良く、
小さくとも全て沖縄県産の桑で作られた貴重な竪琴です。



*桜 sold out ご購入ありがとうございます
ほんのりピンク色。あの桜の花のエネルギーは樹に満ちています。
かすかに桜の香りがします。
堅牢で緻密な材。
日本一早く開花する、沖縄のヒカンザクラ材です。
もうそろそろ桜の季節。
ソメイヨシノよりも山桜に近い種類と言われています。
ある小学校で100年以上子ども達を見守っていた樹です。


✳︎ゆうな sold out ご購入ありがとうございます


ゆうなの木は海のそばで波音を聴きながら育ちます。
時に激しい台風を防いでくれるのです。
ハート形のかわいい葉。クリーム色の花をうつむき加減に咲かせます。
材は比重が軽く、余り大木はありません。
墨の色の中に全ての色があるといわれていますが、
この木も墨染めのような、夜空のような、青みがかった深い色をしています。
やさしげな音です。



お気に入りの木は見つかりましたか?
どの木も個性的で、それぞれ音色が違います。
今年最初の満月に生まれたこの楽器達は各一台ずつです。


お問い合せはメール、またはONLINESHOPをご覧下さい。

あやはべる9弦 おきなわの木 Ver.1
てるる詩の木工房オリジナルスチール弦
ヤマックワ
sold out
ゆうな
各¥60000(税込み・送料別)
調弦器・保証書付き冊子「竪琴の物語」・紙ケース付き




2020年あけましておめでとうございます

カテゴリー │てるる詩の木工房髙良家の畑

遅ればせながらあけましておめでとうございます。

今年のお正月は新しい楽器の仕込みや弦を張る準備等をしながらゆるやかに過ごしました。

元旦は近くの海中道路へ。裸足で歩く砂浜が気持ちいい!


正月休み、ということで仕事にかまけて荒れ放題だった畑の草を取り、
ニンニクの植え付けをしました。
もう10年自家採取して継いでいる球根です。
香りが良く、一粒づつが大きい、沖縄在来種です。



雑草の中からよくぞ枯れずに!と声をかけたくなるような
ラベンダー、レモンバーベナ等のハーブ達を発見!
風に種が飛ばされ思いがけない場所から生えているチシャ達。
豆腐と和えて、梅干しを作った残りの梅酢とごま油をかけるだけの
簡単サラダがおいしい!



初詣は、この場所に引っ越す前に
毎朝の散歩コースにあった小さな神社へ。
「工房が出来ますように」とお祈りをしていたので毎年行っています。
後で知ったのですが音楽の神様、弁財天様が奉られています。


元旦に拾った貝。
豊かな藻場で育つ「カゴガイ」。
いまはほとんど絶滅してしまっているそうです。

その丈夫な殻を住処にしているのは「ムラサキヘビガイ」。
豊穣の角、コルヌコピアの形をしています。
しかもよく見ると一度何かで傷ついた跡があります。
そこからもう一度再生しているたくましい貝です。

いつもブログを読んで下さっている方々にとって
希望あふれる年となりますようにお祈り致します。
今年もてるる詩の木工房をどうぞ宜しくお願い致します。


コルヌコピアキラキラ 






旧暦11月16日生まれのことのはとあやはべる9弦

カテゴリー │楽器制作ことのはあやはべるてるる詩の木工房


12月12日は旧暦11月16日、満月でした。
この日、新しいことのはとあやはべる9弦、
弦の張替えでお預かりしていたことのはに
弦を張りました。
夢織機1号で作る、自作の弦です。



ことのは ペンタトニック
9弦 てるる詩の木工房製スチール弦
2019ー12ー桑-あ
¥132500
※売約済み




あやはべる9弦 ペンタトニック
てるる詩の木工房製スチール弦
2919-10-くすの木-あ
スターターキット¥48888
※売約済み



弦を作り、張る作業は夜遅くまで続きましたが、
今年最後の満月が見守ってくれました。

時代が動き、首里城が焼失し、様々ことがあった一年でしたが
月明かりは限りなく優しく、
希望と再生への願いを込めて弦を張りました。

今年も残すところあと2週間。
もうすぐ完成する楽器達、
新しい年に完成する楽器の仕込み、
年末の慌ただしさの中、
工房では集中して作業が続いています。



旧11月1日生まれのあやはべる39弦

カテゴリー │楽器制作あやはべるてるる詩の木工房Onlineshop


11月27日は旧11月1日、新月でした。
この日、あやはべる39弦が弦を張って生まれました。
初めて作ったオリジナル弦です!!!

この楽器のために生まれた弦を張る、
それは想像を超えてすばらしく深く豊かな音となりました。
チューニングもとても安定しています。
約3年をかけて機械の設計・開発から、材料の調達、
甲斐あっててるる詩の木工房の竪琴が新しく生まれ変わりました!



弦製作機『夢織機1号』キラキラ 
この世界にたった一台、オールハンドメイドの機械です!

弦の完成を記念し、多くの方にこの音を聴いていただきたいと思い
特別価格で販売致します。

あやはべる39弦 普及版
沖縄県産しいの木製
てるる詩の木工房製スチール弦・フラットトップ
ナチュラル仕上げ
通常価格¥418,000(税込・木製ケース・調弦器込み)
¥350,000(税込・木製ケース・調弦器込み)
限定5台限り、送料別途
※残り2台となりました。ご予約ありがとうございます!
お届けは完成次第、12月中旬から2月下旬頃になります。
12月中にはもう一台完成予定です。
39弦は音域も広く、永く弾いて頂くことが出来ます。
どうぞ新しくなったてるる詩の木工房の竪琴の音色をお聴き下さい。
お問い合せは tategoto.okinawa@gmail.com まで。
または ONLINESHOP をご覧下さい。




夢織機1号の完成~旧10月16日生まれのあやはべる9弦

カテゴリー │楽器制作あやはべるてるる詩の木工房

弦を製作する機械がとうとう完成しました。
これで工房で制作する竪琴に、自分でスケールデザインをした弦を張る準備が整いました。
弦制作に挑戦して10年、前回作った機械をさらに改良し、パワーアップしました。
友人が『弦を紡ぐ、夢織機(ゆめおりき)』と命名キラキラ 

明日から本格的に弦の制作に入れる、と喜んでいた
まさかその数時間後に首里城が火災で焼失するとは思いもよらぬことでした・・・

先の大戦で激しい地上戦が行われ、
特に軍司令部のあった首里城は標的となり消失。
貴重な命、そして多くの貴重な文化財が失われてしまった。
首里城復元には多くの人々が熱い思いを寄せ、
残欠収集、古文書や残った文化財を綿密に分析・調査することからはじまったのです。
私たちも王国時代の琉球漆器の木地復元の際に携わらせていただきました。
関わった多くの人が心を込めた首里城をはじめ復元品が
消えてしまい、未来の子ども達に引き継げないこと、
その喪失感にしばらく言葉もなく過ごしておりました。

しかしその後、耐火倉庫の中で無事だった文化財があることを知りました。
また世界各地からも復元に向けて励ましが寄せられ、
多くの方の思いと希望が結晶して不死鳥のように首里城が再生することを心より願っています。

様々な思いの中、祈りを込めて3台のあやはべるに弦を張りました。
すべて、てるる詩の木工房製の弦です。


『モノコルドを聴け、そして見よ』というピタゴラスの言葉どおりに
毎夜実験を繰り返し・・・
オリジナルの弦が完成しました。

今回は『ハゼの木』『サクラ』の2種。どちらも貴重な沖縄の木です。
すべてふさわしい方のもとへ・・・と飛び立っていきました。




新月の日に

カテゴリー │てるる詩の木工房その他

10月28日は旧10月1日、新月でした。
竪琴に弦を張るのは新月か満月、と決めているので
準備に忙しいことが多いのですが
この日、浦添市城間のSWMインテリジェンスセンターで開催されている
幸地学展へ行きました。

沖縄から渡仏して画家を志し40年。
パリの国立美術館に作品が収蔵・永久保存されるも
がんを宣告され、全身に転移していると言われた病気を克服されたのだそうです。

透き通るようでやさしく、リズムあふれる自由な絵画たち。
支える奥様もうつ病に苦しみ、
闘病中ベッドの上で描いたとは思えないような
不思議な調和と、癒され、元気になる空間でした。


2019.10.27(sun)~11.3(sun)
13:00~18:00
SWMインテリジェンスセンター(浦添市城間)




実は高良と幸地さんは高校のクラスメイト。
お元気で回復された姿がほんとうに嬉しかったです!




この日、工房に戻ってから
弦制作機で初の巻き弦を作りました!

10年前に製作した弦製作機では精度がでない、力が足りず、、、。
試行錯誤をくり返しながら、
2年前はドイツのザーレム工房、ホルスト・ニーダー氏のもとを訪ねました。
構想をあたためて今年ようやく新しい弦製作機を製作しました。
設計、本体は時間を見つけて少しずつ製作。
本当にゆっくりとした歩みでしたが
この日ほぼ機械を完成させ、試運転で巻いた一本です!!!

これまで出来なかった一番難易度の高い、
髪の毛よりも細いワイヤーを所定の長さに綺麗に巻くことが出来て感動キラキラ 





より動作をスムーズにするためにハンドルを制作中。
もうすぐ自分の楽器に、
自分でスケールデザインをして作った弦を張る、
という長年の夢が実現されます!

これまでとは一新した良い音を
皆様のもとへお届けできることを
なによりも楽しみにしています。





あやはべる39弦制作

カテゴリー │楽器制作あやはべるてるる詩の木工房

現在制作中のあやはべる39弦。
ソプラノの広い音域を持ち、様々な曲を弾くことができます。

竪琴が好きになっていろいろな曲を弾きたい!いう方におすすめ致します。
また弦は弾かなくとも共鳴という大切な役目があります。
より多く共鳴する39弦は豊かな響きを作り出します。

39弦には『あやはべる』と『てるる』があります。


『あやはべる39弦』は、甲がギターのようにフラットなタイプ。
ナチュラル仕上げで、木の素地を生かした塗装をしています。
入門編~コンサート用にも使用できて、お求めやすい価格となっています。




『てるる39弦』は、てるる詩の木工房を代表する最も人気のあるモデル。
甲がバイオリンのようにアーチを描いています。
世界中でアーチトップの竪琴はてるる詩の木工房だけ。
時間をかけて手作業で形作られるふくらみは、ふくよかでニュアンスのある音を奏でます。
工芸品に用いる『摺り漆』の技法を用いて丁寧に塗装されます。




制作中のあやはべる39弦は沖縄県産のしいの木製です。
秋にはかわいいどんぐりが実ります。


弾むような明るい、陽の音を持っています。


予約受付中です。
お届けは11月~12月の予定。





月の美しゃ

カテゴリー │楽器制作あやはべるてるる詩の木工房木について


~全国各地で台風が吹き荒れ、被害に遭われた方々の一日も早い復興をお祈り致します。~

10月14日は旧暦9月16日、満月でした。
前日の13日はメンバー限定で開催された『月の美しゃ・ワークショップ』で
てるる詩の木工房への工房見学がありました。

その日へ向けて・・・
工房ならではの体験をしていただきたいと思い、
あやはべる9弦を沖縄の様々な木で制作しました。






ユウナ・サクラ・ヤマックワ・ハゼ・クワetc...
レアでなかなか使えない、楽器に使えるサイズに育つまで時間がかかる、等
普段楽器を作っていない木ばかりです。

並べると虹のように美しい!




こちらは『ハゼ』。
満月のように輝く黄色です。削った粉はまるでターメリック。
固くてしなりのある材は、和弓の芯に使われています。
種は木蝋の原料となり、お相撲さんの髷を固める鬢付け油や
燃やしてもススのでない和ろうそくの原料、また高級な口紅の原料となります。

『サクラ』はほんのりピンク色。
材からは桜餅のような芳しい香りがします。
とても丈夫で水に強く、木が狂いにくいので浮世絵の版画の版木に使われていました。
ドイツで言うサクラはカバザクラのことなのでやわらかく、ピンがゆるみやすいですが
ヤマザクラの材は固くて良質です。
この桜の木はある小学校の改築の際に伐採されたため、100年以上経っていることがわかっています。
100年、といっても直径50センチはなく、目が詰まっている木でした。

環境によって年月が経っても余り大きくならない木もあります。
木の生き様が材となっても伝わってくるのです。

・・・というように一つ一つの木のお話、
実際に材に触ったり、香りをかいだりしながら
それぞれの楽器の音の聴き音を楽しんでいただきました。



今回の材は限定制作です。
その木の音を聴きたかったので、すべて共木で作られています。
一年で最も月の美しい十三夜に制作された特別バージョンです。
今後制作できるか、材が入手できるか、未定です。
数量限定ですが、気になる木がある方、ご連絡お待ちしています☆

あやはべる9弦 ペンタトニック
ナチュラル仕上げ
(調弦器・冊子『竪琴の物語』・紙ケース付き)
¥45834(税込)
右上の紫の木から時計回りに
ユウナ
サクラ
ハゼ
クワ
クスノキ
ヤマックワ

完売しました。ありがとうございます。




アジLOVE あがりっ♪ ~FM那覇に出演します

カテゴリー │てるる詩の木工房お知らせメディア掲載

先日9月13日は十五夜、美しい月を見ることができました。
沖縄県各地ではこの日、獅子舞が行われています。

以前獅子頭の製作をさせて頂いた
首里汀良町獅子舞保存会の中村竜太さんからバトンタッチする形で、
ラジオ番組にゲストとしてお招き頂きました。
本日17日(火)19:00~19:55までの生放送です。

FM NAHA 78.0Mhz
コーナー:ネイリストまーきーの『アイデンティティを探す旅』
2019年9月17日(火) 19:00~19:55

上記の時間になるとこちらから聴く(見る?)ことができます。
ツイキャスティングアプリをダウンロードすることが必要なので
お早めにご準備下さい。

このブログの読者の皆様は
竪琴を専門に制作している工房だと思っておられる方が多いと思います。

実は私たちは家具工房としてスタートし、
内装工事や作りつけ家具もたくさん制作しました。
子ども達を寝かしつけてからの納品、撤夜続きでやっと納品したことも・・・

少しずつ暖めていった楽器制作、
依頼をいただいた獅子頭や王朝時代の琉球漆器木地製作の仕事、
その中でゆっくりと自分の本当にやりたいことへ向かいながら今があります。

特に獅子の現すものは『誇り』。
地域の大切な獅子頭の制作に携わることで
たくさんの大切なことを学ばさせて頂いたことは感謝です。

事前インタビューでいろいろとお話しする中で
これまでの歩みも振り返り、また今を歩む元気が出てきました。

どうぞ今夜はラジオをチェックしてみて下さいね。
竪琴の音色もお届けする予定です♪





2019年度後半竪琴予約について

カテゴリー │楽器制作てるる詩の木工房お知らせ

9月に入り、暑い沖縄も朝夕は少し涼しくなってきました。
これからの季節は作業もしやすくなり嬉しい季節です!

2019年度後半制作楽器のご予約の募集を開始致します。


○あやはべる9弦     桑の木製
            しいの木製
            伊集の木製



○あやはべる32弦(普及版) しいの木製 4台
             伊集の木製 1台



○あやはべる39弦(普及版) しいの木製 5台




○てるる39弦(上製)    桑の木製 1台
             しいの木製 1台


○てるる41弦(上製)    桑の木製 1台

現在途中まで仕込みが終了しているのは以上です。
ご注文分より制作に入るので、上記の楽器は約半年でお届けすることが出来ます。
これ以外の樹種・サイズの場合はもう少しお時間をいただきます。

各お値段はONLINESHOPに記載の通りです。
 
2018年度よりサドル部分を改良し、音が良くなっています。
また今後は自作弦を張る予定です。
さらにパワーアップした、
てるる詩の木工房の楽器の完成をどうぞお楽しみに!




うるまの竪琴

カテゴリー │楽器制作てるる詩の木工房メディア掲載

8月24日の地元新聞社琉球新報さんに掲載して頂きました。
ありがとうございます。

イベント等で
「これは何という楽器ですか?」と質問されて
「竪琴です。」とお答えすると
「ああ、ビルマの竪琴ね!」と言う方が多いです。
映画の印象を強く持っている方が多いのですね。
そんな時、私たちはうるま市に工房があるので
「うるまの竪琴です!」と地元をアピールしながらお答えしています。


竪琴はギリシャにも、ケルトにも、アフリカにも、もちろんビルマにもあり、
いろいろな弦楽器の元になったと言われています。
シンプルな形は弓から来たともいわれており、
弓の武器としてのパワーよりも、
奏でる音に力が宿ると古人は考えたのだと思います。

ライアー、とはドイツ語で竪琴の意味です。
宮崎駿監督のアニメ『千と千尋の神隠し』で木村弓さんが
ドイツのライアーで主題歌を弾き歌いしたことから
日本で知る人が増えました。
ドイツのシュタイナー教育の中で治療教育の為に
20世紀になって「ライアー」として再創造された楽器です。

遠い外国の楽器だと思い憧れていた竪琴でしたが
奏者の平岡祐子さんから
『深い泉から水を汲んで下さい。』とご助言頂いて
自分の足下の泉を掘ろう、と思いました。
深い泉は世界各地を流れる地下の水脈につながっていることを信じて・・・

それから17年、ゆっくりとした歩みですが、
いつも応援して下さっている皆様ありがとうございます。
ていねいに作り続けていきたいと思いますので
これからもよろしくお願い致します。




8月8日生まれのあやはべる9弦

カテゴリー │楽器制作あやはべるてるる詩の木工房

台風の風雨に洗われる中、
新しいあやはべる9弦が6台完成致しました。

今回は本体にイエローシーダー材を使用しています。
表面板にはスプルースとレッドシーダーの2種類。

バック板には沖縄県産材を使用しています。
こちらはしいの木。キラキラした陽の音がします。

こちらは同じ沖縄県産木ですがヤマクルチ材。
しっとりとした感じの優しい音です。
楽器の重さもしいの木材で約550g、
ヤマクルチ材材で500gと軽く弾きやすいです。
大きな竪琴と合わせて弾いても楽しいですよ。
オンラインショップでもご購入することが出来ます。

あやはべる9弦 ペンタトニック
ナチュラル仕上げ
イエローシーダー&沖縄県産しいの木
イエローシーダー&沖縄県産ヤマクルチ
(調弦器・冊子『竪琴の物語』・紙ケース付き)
¥45000(税込)


あやはべる9弦 ペンタトニック スターターキット
ナチュラル仕上げ
イエローシーダー&沖縄県産しいの木
イエローシーダー&沖縄県産ヤマクルチ
(調弦器・冊子『竪琴の物語』・紙ケースに加えて
電子チューナー、曲集『ちいさな竪琴と歌う季節の歌』がついて、すぐに始めることができます)
¥48000(税込)


てるる詩の木工房onlineshop


竪琴が完成するのを見守ってくれる、ドリームチームをちょっとご紹介。
こちらは竪琴に弦を張る前に吹く岩笛。
いずれも浜比嘉島の大好きな浜辺で拾ったものです。
人工的に開けたのではなく、
岩に貝が穴を開けた自然のままの形です。
吹くととても澄んだ音がします。
場を清め、心を落ち着かせてくれます。
弦を張り、初めて音が出て竪琴が生まれる瞬間をいつも守ってくれています。

いただいた貝の神殿。
この貝は海底の柔らかな砂に半分身を沈めていたので、
流れにさらされた片側だけが丸く開いています。
反対側は貝の模様がしっかりと残っています。
この種類の貝は成長に連れて内側の殻を薄くしていくのだそうです。
自分の体の入るスペースを作り、
天に伸びるかのような螺旋状の芯を抱いています。
自然の造形の美しさ、生命の作り出す形に畏敬の念が湧いてきます。

楽譜芋(ガクフイモ)。
学名もムジカ(ミュージック、音楽の意)と言うのだそうです。
音楽をする人のお守り、として頂きました。
殻に描かれた模様がまるで楽譜のように見えるところから名付けられたそうです。
一つとして同じ模様は無いそうです!

人は生まれてくるときに星々の奏でる歌を聴いて生まれてくるそうです。
きっとその歌も一人一人違う、その人だけの大切な歌。
貝に刻まれた歌も星々の歌を映しているのかもしれません。
どんな歌が聴こえてくるのでしょうか・・・





8月2日はハープの日

カテゴリー │楽器制作てるる詩の木工房お知らせメディア掲載

8月2日はハー(8)プ(2)の日・・・ということで
地元沖縄タイムス社さんに
てるる詩の木工房の竪琴の記事を取材して頂きました。

たくさんの励ましとお問い合せ、ありがとうございます!
お声を励みに地道に制作していきたいと思っております。

一番最初に制作した41弦と、
一番最新のあやはべる9弦をご紹介させていただきました。

ハープも竪琴もおなじ弦楽器の始祖の楽器です。
ここからギター、リュート、三線、琴、ピアノ・・・いろいろな弦楽器へと変化していきました。

ハープと竪琴(ドイツ語読みでライアーとなります)は似ていますが
一番の違いは音の出し方です。
ハープでは弾くように音を出すようですが、
竪琴では弦を指でなでるように音を作り出します。
音を共鳴させる構造も違います。

『心の琴線にふれる』、という言葉があるように
どちらも素朴で澄んだ音色は、人の心をやさしく包んでくれます。

これを機に皆様に知って頂ければ幸いです。







『デイサービスセンターのいえ』さんにて

カテゴリー │あやはべるてるる詩の木工房その他




先日、同じうるま市川田区にある
『デイサービスセンターのいえ』さんにて小さな演奏会をさせていただきました。

私たちはこの川田に来て工房をはじめてから18年になります。
場所も機械もお金も何も無い中で、
木工房をスタートさせました。
たくさんの方のお力添えがあって、励ましがあって、今があります。
そのことには本当にどれだけ感謝しても言い尽くせません。

お世話になった方のお一人が入所されている
『デイサービスセンターのいえ』の仲宗根久子所長のご理解の元、
てるる詩の木工房で一番最初に作った柿の木の竪琴と、
一番最新作である『あやはべる9弦』で
演奏しました。


耳の遠い方もいらっしゃるとのことでしたので
小さな音色の竪琴は大丈夫かな?との心配を余所に
皆さん耳を澄ませて真剣に聴いて下さり、
楽しそうに一緒にうたって下さいました。

実は・・・制作が専門でほとんど人前で弾いたことのない私たち。
前日は、お隣の老夫婦のお宅に押しかけ、
リハーサルをさせてもらいました!
川田に来た当初は元気に農業をされていたご夫婦。
今はおじさんが不調でデイサービスに通っていらっしゃいます。
ところが『てぃんさぐぬ花』を弾くとおじさんが歌い出しました!
そして今度は『汗水節』をうたいだし、おばさんと合唱!
ずっと農業をしながら苦しいときも大変なときもこうしてうたで
励まし合い、支え合って来たんだろうなあ・・・
とても心に染みました。

この前夜のリハーサルのお陰で緊張しながらも竪琴の音色をお届け出来ました。







演奏後、お一人ずつ回って音を出すのを楽しんでいただきました。
最初は『弾けない!』とはずかしそうにしていた方も音が出ると嬉しそう!
お顔がわからないようにしていますが皆さんとてもチャーミングなお顔でした!
ペンタトニックの竪琴は音が濁らず、どんな方でも音を楽しんでいただけます。

そして皆さんの出す音がとてもやわらかく、やさしい音でした。
これまでの人生がにじみでているような・・・

後日、職員の方と『デイサービスセンターのいえ』で竪琴の練習会を行いました。
月一回ぐらい、不定期ですが調弦の仕方や、音の出し方等
基礎の基礎からお伝えしていきます。
『デイサービスセンターのいえ』さんのご好意により、
今後も開催予定です。
外部の方でも参加できます。

竪琴を持っているけれど、弾きこなすのが難しい・・・という方。
まだ弾いたことがないけれど体験してみたい・・・という方。
詳しくはてるる詩の木工房までお問い合せ下さい。